天涯孤独の方が生命保険に入ろうとしたとき、「受取人はだれにすればいいの?」と悩むことがあると思います。
ここでは、そういった方に向けて以下の内容をお伝えします。
- 生命保険の受取人になれる人
- 生命保険の目的と不要な理由
- 天涯孤独の方が将来のために備えるべきこと
天涯孤独で生命保険の受取人がいない理由
生命保険の受取人がいない理由は、「天涯孤独だから」だと思いますが、はじめに生命保険の受取人について整理しておきます。
生命保険の一般的な受取人
生命保険の受取人は、一般的には親などの親族が選ばれます。
しかし、天涯孤独の人は、受取人に選べる親族がいません。
では、誰を受取人にすればいいのでしょうか?親などの親族以外でも受取人になれるのでしょうか?
生命保険の受取人になれる人
生命保険の受取人になれるのは、基本的に配偶者と2親等以内の親族です。
2親等以内とは、子、両親、兄弟姉妹、祖父母、孫が該当します。
不正防止などの理由により、配偶者や2親等以内ではない人を受取人にすることはできません。
例外として、以下を受取人にできる保険もあります。
- 内縁や事実婚の相手
- 同性婚の相手
どの保険にどういう受取人の条件があるかは、各保険によって異なるため、保険担当に確認する必要があります。
天涯孤独の方は、上記のいずれもいない方だと思います。そういう方はどうすればいいのでしょうか?
生命保険に入る目的は?天涯孤独に生命保険は不要
受取人を誰にするかを悩む前に、まずは生命保険に入る目的を考えてみましょう。
生命保険に入る目的
生命保険は、死亡時に保険金が受取人に支払われる保険です。
「万が一自分が亡くなったときに、残された人が生活できない状況にならないようにするため」の保険です。
たとえば、一家の大黒柱である夫が亡くなった場合、収入のない妻だけでは子育てが経済的に困難になります。
そういう場合に備えるための保険が生命保険です。
天涯孤独の人に生命保険は不要!
配偶者や子どもがいる場合は、自分が突然死んだ時に生活できない状況にならないよう生命保険に入る意味はあります。
しかし、天涯孤独の方の場合はいかがでしょうか?
天涯孤独の方が亡くなった場合、
だれかが困るでしょうか?
だれかが生活できない状況になるでしょうか?
(ここで言う「困る」とは、金銭的な意味で困るかどうかです。)
天涯孤独の方であれば、誰も生活できない状況にはならないはずです。
ですから、そもそも天涯孤独の方に生命保険は必要ないのです。
貯蓄型保険であれば入る意味がある?
貯蓄型保険であれば老後の資産を増やせるため入る意味があるのでは?と考える方もいるでしょう。
しかし、貯蓄型の生命保険であっても入る必要はありません。
貯蓄型の生命保険に入るということは、死んだ場合に備えるという「保険目的」ではなく、資産を増やすという「投資目的」で入るということです。
生命保険に入る目的を、投資と混同してはいけません。
資産を増やすのであれば、「保険商品」ではなく、「投資商品」を選びましょう。
その方が、はるかに利回りが大きく、資産を増やせます。
<投資商品について>
「投資商品」というと怖いとかリスクが大きいと感じる方も多いかもしれませんが、保険会社もみなさんからもらった保険料を投資で増やしています。
長期投資であれば小さなリスクでお金を増やせます。貯蓄型保険の解約返戻金が最初はマイナスで、長期になるとプラスになっていくのもそのためです。
本記事の内容からはずれるため詳細は省きますが、「インデックス投資」のような長期投資は、地道な投資でありリスクが低く、貯蓄型保険よりはるかに賢い選択です。
天涯孤独の人が将来のために備えておくべきこと
天涯孤独の方は生命保険は不要ということを話してきました。
しかし、天涯孤独の方は生命保険が不要だから将来のことは何も考えなくていい、ということはありません。
天涯孤独の方が将来のために備えておくべきことを紹介します。
①将来の老人ホーム代を貯めておく
将来も天涯孤独の可能性がある方は、老後の不安もあるでしょう。
介護してくれる子どもや知人がいないため、老人ホームなどの介護施設に入る可能性を考慮しておきましょう。
老人ホームの料金は、地域やサービス内容によってピンキリのため、一概にはいえませんが、
通常のサービスの施設のおおよその目安:入会金10万円、月額15万円程度
と考えておけば、それほど遠くないでしょう。
サービスが良くて快適な老人ホームに入りたければ、それだけさらに多くの費用が必要になります。
自分の資産やもらえる年金で、老人ホーム料金をまかなうために計画的に資産を貯めておきましょう。
参考記事:天涯孤独の人は老後に老人ホームに入るべき?老人ホームの選び方
②死亡時の葬儀に備えておく
人はいつ死ぬかわかりません。天涯孤独の方が突然亡くなった場合の準備として、葬儀の備えも必要です。
天涯孤独の方が亡くなった場合、だれも葬儀の手配をしなければ、最終的には自治体によって火葬が行われます。
そして、無縁仏として自治体の管理する合祀墓(大きなお墓の下で複数の遺骨をまとめて埋葬)に納骨されます。
「葬儀をきちんとしてほしい」
「無縁仏にはなりたくない」
と感じる方は、葬儀を代行してくれるサービスに生前に申し込んでおく方法があります。
身元保証サービスという、葬儀だけでなく、保証人の代行など、天涯孤独の方にとって便利なサービスを一括して請け負ってくれるサービスがあります。
参考記事:天涯孤独の人の葬式やお墓はどうなる?火葬や納骨についても解説
③死亡時の相続に備えておく
資産の行方が心配な方は、相続についても備えておく必要があります。
あなたの資産が誰にも相続されないと最終的に国の資産になる可能性があります。
「どこかに寄付したい」
「知人に譲りたい」
などの希望がある方は遺言書を残しておくとよいでしょう。
参考記事:天涯孤独の人が死んだら遺産相続はどうなる?事前の対策も紹介!
④死亡時の死後手続きに備えておく
死後の各種手続きについても準備しておきましょう。
死亡届の提出、携帯電話の解約、クレジットカードの解約など様々な手続きがあります。
天涯孤独の方は、死んだあとのことはどうなってもいいと思う方もいるかもしれませんが、気になる方は事前に備えておくとよいでしょう。
身元保証サービスには、死後事務手続きの支援を請け負っているところもあるため、相談してみましょう。
まとめ:生命保険は不要、本当に必要な備えを!
天涯孤独の方は、生命保険は不要です。
本当の意味で必要なことを理解し、それに備えた準備・対策を行っていきましょう!
- 老後の老人ホーム代の備え
- 葬儀の備え
- 相続の備え
- 死後手続きの備え
【参考記事】就職の保証人はどうすればいい?▽