天涯孤独の人は、自分が死んだとき、葬式やお墓がどうなるのか気になると思います。
通常であれば、親族が実施してくれるものですが、天涯孤独の人には親族はいません。
ここでは、天涯孤独の人の葬式やお墓について、また火葬や納骨についても解説します。
では、見ていきましょう。
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死亡後の一般的な流れ
日本では、死亡した際、基本的に必ず火葬を行わないといけません。
では、どういう流れになるのか見ていきましょう。
一般的な流れ
例えば、病院で天涯孤独の人が亡くなった場合です。
病院から自治体に連絡します。
自治体は戸籍等をたどって親族を探し、そして親族が遺体の引き取りと火葬を依頼するのが一般的です。
もし、親族が相続を拒否した場合や、親族がいない場合は、自治体が遺体を引き取り、火葬・納骨を行います。
最低限の簡素な火葬・納骨となり、葬式は行われません。
天涯孤独の人は葬式が行われない
天涯孤独の人は、最終的に自治体が簡易的な火葬・納骨のみを行うため、葬式は行われません。
そのため、葬式をして友人・知人に参列してほしいなどの思いがある方は、生前に対策が必要です。
対策については後述します。
自治体が行う火葬・埋葬
生前に何も対策していなくても最低限自治体によって火葬・納骨は行われます。
しかし、それは簡易なもので自治体により詳細は異なります。
一般的に、葬式は無く、直接火葬場で火葬されます。
そして、一定期間遺骨を保管し、その後、合祀(ごうし)という他の人と一緒に埋葬される「無縁塚」に納骨されます。
「無縁塚」は他の遺骨と混ざっているため、その後は取り出すことはできません。
天涯孤独だけど、葬儀や納骨をきちんとやってほしい場合は?
天涯孤独の場合は、自治体が簡易的な火葬・納骨のみを行うと説明しました。
では、葬儀や納骨をきちんとやってほしい場合はどうすればよいでしょうか。
対策を紹介します。
天涯孤独の人ための死後手続きの対策
天涯孤独の人ための死後手続きは、自分はいませんから、誰かにやってもらわないといけません。
だれにどのように依頼するか見ていきましょう。
生前に知人に頼んでおく
信頼でき、葬儀を引き受けてくれる知人がいる場合は、お願いしておくという手もあります。
お墓や納骨までお願いしてしまうと、その後のお墓の管理まで知人に頼むことになります。知人の負担が大きくなってしまうため、永代供養のお墓を手配するなどしておきましょう。
また、財産の相続について対策していない場合は、知人が葬儀費用を負担することになってしまいます。
事前に費用を渡しておいたり、遺言書や、後述する「死後事務委任契約」等を活用して、費用の負担についてトラブルにならないようにしておきましょう。
いろいろと考慮しておかないといけないこともあるため、専門家に相談し、後述する「死後事務委任契約」を結んでおく方が安心で確実です。
生前に「死後事務委任契約」を結んでおく
死後事務委任契約とは、個人が死亡した際に、死後の事務手続きや財産管理などを他者に委任する契約のことです。遺族や信頼できる代理人が、故人の死後にさまざまな法的手続きや手配を行うための方法として使われます。
例えば以下のようなことを委任できます。
- 遺体の引き取り
- 葬儀や納骨の手続き
- 葬儀の喪主
- 遺品整理
- お墓の管理
- ペットのお世話
- Webサービスの解約
他にも細かく決めることができます。
死後事務委任契約を結べる相手は、弁護士や行政書士だけではなく、知人も対象にできます。
ただし、委任先を知人にするにしても、専門的な作業になるため、弁護士や行政書士にお願いした方がいいでしょう。
いまでは、「死後事務サービス」というサービスとして死後事務委任契約を提供している団体もあります。
天涯孤独の人の葬式や納骨についてよくある疑問を解決
- 天涯孤独の友人が亡くなり、自治体で火葬されることになりました。
この場合、火葬後に、ご遺骨を友人という立場の私が引き取ることは可能でしょうか? -
まずは、自治体に相談してみることをおすすめします。
- 天涯孤独ですが、死んだ後に自分の家の墓に入る方法はありますか。
-
永代供養の寺ならば自分の墓に入れます。遺言代行会社にでも相談してみて下さい。
- 天涯孤独ですが、生前に永代供養墓の準備をしていて死んだ後は、葬儀社の人が永代供養墓に納骨等してくれるのでしょうか?
-
周囲の誰かに頼んでおかないと、お墓を準備していたことがわからず無縁墓行きになるケースが多いようです。
生前のうちに周囲の誰かに納骨を頼んでおくか、行政書士に頼んでおく必要があります。 - 天涯孤独の人が亡くなったら、遺体は誰が処分したりするのでしょうか?
-
死亡地の自治体が火葬します。
第九条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
引用元:「墓地、埋葬等に関する法律」- e-gov法令検索
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まとめ
自分が死んだ後のことはどうなってもいいという人も多いと思います。
しかし、もし何か死後の手続きについて希望がある場合は、紹介した対策を検討してみることをおすすめします。
確実に実行してもらうためには、やはり対策は「死後事務委任契約」一択になると思います。
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