天涯孤独の人は、仮に余命宣告されたとしても「自分が死んだ後のことはどうでもいいから終活なんてやる必要がない」と考えているかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
ここでは、天涯孤独の人でも終活した方がいい理由と、やっておくべき終活の内容を解説します。
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天涯孤独の人でも終活した方がいい理由
天涯孤独の人でも終活した方がいい理由をいくつか説明します。
友人、知人が困る可能性がある
天涯孤独の人は、親族がいないから自分が死んでも誰も困らないと思う方もいるかもしれません。
しかし、友人や知人がいる場合、その友人や知人は、
あの人は天涯孤独だから死んだあとのことをやってくれる人はいない。
何かやってあげたい。
と考えるものです。
そんなときに、何も終活をしていなければ、
「葬儀をしてあげた方がいいんだろうか?」
「やるとしたら誰を呼んだらいいんだろうか?」
「納骨はどうしよう。」
「遺品や財産の整理はどうしてあげれば喜ぶんだろう。」
と、悩みが生まれ、友人や知人は困ってしまいます。
友人や知人を困らせないためにも終活はやった方がいいです。
認知症になる可能性もある
人は、突然死ぬとは限りません。
認知症になってだんだんと症状が悪くなっていく可能性もあります。
認知症になると、
・どこの銀行にお金を預けたか忘れた
・詐欺にひっかかってしまった
などの問題が生じてしまうリスクがあります。
天涯孤独の人は、そばに親族がいるわけではありません。
そういう時のための備えをしておいた方がいいでしょう。
終活をすることで自分に必要なことが見えてくる
みなさんは、一度も老後の生活を経験したことはありません。
老後の生活をしていくためには、やっておいた方がいいことがたくさんあります。
終活を通して、そういうことを知り、自分がやった方がいいことを学ぶことができます。
- 遺言書を残したほうがいい
- 成年後見制度を利用した方がいい
- 弁護士に相談しておいた方がいい
など、今後の人生において自分に必要なことを知るためにも終活はやった方がいいです。
終活をすることで残りの人生を生き生きと暮らせる
終活とは、自分の死んだ後のことや相続に関することだけを行うのではありません。
残りの人生を生き生きと暮らすための手段でもあります。
自分の終わりを考えることで、終わるまでに何をしたいのかを考えるきっかけになります。
そういうきっかけがないとあっという間に時間は過ぎていきます。
終活を通して考えることで、残りの人生を後悔のないより生き生きとした人生にできます。
天涯孤独の人がやっておくべき終活
天涯孤独の人がやっておくべき終活を説明します。
今後の人生でやりたいことを整理する
天涯孤独の人は、親族がやりたいことに合わせるという部分がまったくありません。
そのため、しっかりと自分のやりたいことを自分で決めないといけません。
そうしないと時間だけが過ぎていきもったいない人生になります。
自分のやりたいことをしっかりと考え、実際に書き出してみましょう!
そして、何をいつ頃やるのかまで具体的に決めましょう!
そこで決めたものが、人生の楽しみであり目標になります。いわゆる「生きがい」というものです。
残りの長い人生を生き生きと暮らせるような計画を立てるのがおすすめです。
資産管理
今後の人生を生き生きと暮らすための計画が決まったら、その計画を実行するために資産管理をしましょう。
自分がどれぐらいの資産を持っているのかを確認し、その計画を実行するためにいつどれぐらいの費用がかかるのかを整理します。
そして、残りの人生に必要なお金とのバランスを考え、計画的にお金を使うようにしましょう。
所有物の整理
多くの人がこれまでたくさん物を購入して、使ってないものもそのままになっているでしょう。
残りの人生に必要ないものは、売ったり人に譲ったりして断捨離しましょう。
物を減らすと考えることも絞ることができ、やりたいことに集中できます。
また、物が少なくなれば、もっと狭くて安い場所に引っ越すこともできます。
自分に使える資産も増え、生き生きと暮らすための計画も実行しやすくなります。
葬式、納骨の必要性の検討
ここから具体的な検討になります。
まずは、葬式や納骨の必要性を検討しましょう。
天涯孤独の人は、自分が死んだ後に誰も何もしなかったら、自治体が簡易的な火葬をするだけで、無縁塚に入ることになります。
もし、葬儀や納骨をしてほしい場合は、あらかじめ葬儀屋と必要な費用を話し合っておきましょう。
そして、喪主をお願いしたい人にも伝えて了承してもらう必要があります。
自治体の火葬でいい場合は、とくに何もする必要はありません。
友人や知人にもその意思を伝えておきましょう。
相続の必要性の検討
天涯孤独の人が死んだ場合、自分の財産は最終的に国の財産になります。
それでいい場合は、とくに何もする必要はありません。
もし、お世話になった人や団体に寄贈したい場合は、遺言書を残しておく必要があります。
天涯孤独の方には、自筆証書遺言(法務局で保管)が断然おすすめです。
「自筆証書遺言(法務局で保管)」は、「自筆証書遺言書保管制度」という制度で、令和2年7月10日に開始された比較的新しい便利なサービスです。
他の方法では、死亡時に相続人に通知されません。親族のいない天涯孤独の方にとっては、遺言書を残していても気付かれない可能性が高いです。
「自筆証書遺言(法務局で保管)」であれば、戸籍担当部局と連携して死亡時に指定した人に通知してもらえます。
成年後見制度の必要性の検討
認知症になった場合は、自分の資産を正しく使えなくなったり、詐欺にだまされてしまったりするリスクがあります。
しかし、代わりにだれかに資産管理してほしいと思っても、天涯孤独の人には親族がいないためむずかしくなります。
そこで成年後見制度の必要がでてきます。
成年後見制度を利用すると、選任された人が、代わりにお金の面倒を見たり銀行の手続きをしたり、相談にのったりしてくれます。
また、詐欺などにだまされたりしても代わりに契約を取り消してくれることもあります。
信頼できる知人を後見人に選任することもできます。いない方は、後見制度のサービスを提供している弁護士や団体を後見人として利用することもできます。
知り合いやお近くの弁護士に相談してみてください。
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まとめ:残りの人生を生き生きと暮らすための終活をしよう!
終活は、残りの人生をより楽しむことを考えるきっかけにもなります。
天涯孤独だから何もする必要はないと考えず、終活をしてみることをおすすめします。
自分でも気づいてなかった「実はやりたかったこと」が見つかって、必ずその後の人生に彩りを与えてくれるでしょう!
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